フランスの名門「J.M. WESTON」の定番カジュアルUチップ「641 Golf」
公開日:
:
最終更新日:2015/01/21
革靴コレクション
ブランド:J.M. WESTON
モデル:641 GOLF
サイズ:6D
ラスト:31
カラー:BLACK RUSSIAN
価格:102,000円+税(2014年12月時点)
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J.M. WESTON(JMウエストン)のUチップモデル「GOLF(ゴルフ)」を紹介します。
J.M. WESTONについて
ウエストンについてはこちらの180 ローファーの記事でも触れていますので、合わせてご覧ください。
1891年、フランスのリモージュ地方で創業したウエストン。
開業当初の名前は、創業者エドゥアール・ブランシャールの名前から取った「ブランシャール」というブランド名でした。
1922年のパリ店の出店を機にブランド名を「J.M. WESTON」と掲げることになります。
1960年台にはウエストンのモカシン(ローファー)をジーンズに合わせる、というスタイルがパリの代表的なスタイルになるほどの人気があったとか。
1980年台には皮革メーカーであるデュプイ社を買収し、原材料である革の鞣しから靴の製造までをトータルに手がけることができる数少ないブランドとなります。
その後地道に販路を拡大していき、1986年にはニューヨークへの路面店出店、1993年には東京へ路面店を出店します。
2001年にはデザイナーのミッシェル・ペリーを招聘し、これまでのウエストンとはまた違った一面を見せています。
今日にいたるまで、クラシックさと芸術を融合させたフランスの名門製靴メーカーとして歩みを進めています。
フレンチトラッドの代表的存在といえるでしょう。
代表的なモデルとしてはこの641ゴルフのほかに以下のようなモデルがあります。
- 180 モカシン(シグネチャー ローファー)
- 598 スプリットトゥ ダービー
- 677 ハント
- 705 サイドゴアブーツ
主な取り扱い店としては、青山などの直営店、各百貨店、セレクトショップだとトゥモローランドで取り扱いがありますね。
定番Uチップ、ゴルフ
そもそもゴルフを購入した理由をご紹介します。
理由は単純でカジュアルにも使いやすい黒の短靴がほしかったという理由からです。
わたしが所有している黒靴はストレートチップ、セミブローグ、ロングウイングチップと、どれもスーツからジャケットに合わせるもので、もっと気軽に合わせられるもの、といったところからです。
カジュアルに使いやすいものということを念頭に置いていたので、スーツに合わせることはそこまで考えていません。
となると、Uチップが候補に挙がりました。
Uチップのなかでもいくつか候補がありましたが、ほぼゴルフの指名買いに近い感じでした。
唯一、最後まで悩んだのはエドワード・グリーンのドーヴァーですが、カジュアルに使うにしてはややドレッシーであることと、革底であるため履き回しに気を遣いそうなので、ゴルフにしました。
ドーヴァーはさらに値段が高いところにありますが、このくらいまでくるともうあまり気にならなくなってしまうという怖さがあります。
汎用性の高さと丈夫さからジャーナリストシューズとも称されています。
4mmピッチのサイズ展開と豊富なウィズ
ウエストンの大きな特徴のひとつが豊富なサイズ展開が挙げられます。
通常の革靴であれば5mmピッチでのサイズ展開となるところを、ウエストンでは4mmピッチで展開をしています。
さらにA~Fという豊富なウィズ(横幅)を用意することでより細かいフィッティングを可能とします。
このことから「自分に合う革靴がない人はウエストンに行ってみるべき」と言われています。
ウエストンは革が馴染むまでは修行期間
豊富なサイズを用意しているからといって、すぐに快適に履けるわけではないのがウエストンです。
購入時にはギチギチとも言えるサイズを勧められるが、履きこんでいくことで調度良いサイズに馴染むといういわゆる修行です。
ウエストン流とも言える万力締めのタイトフィッティングですね。
近年は極端にタイトなフィッティングは勧めてこない印象がありますが、それでも他社に比べれば十分にタイトです。
馴染むまではデリケートクリームを大量に塗りこんだり、お風呂に漬け込んだり、革を揉んでみたりとみなさんいろいろとやられるようです。
わたしも180ローファーを購入したときはいろいろやりましたが、この641ゴルフでは修行と割りきって普通に履いています。
「10年後の最適な履き心地のために」といわれますが、10万円の革靴でなければここまでの苦痛には耐えられませんね・・・
ゴルフのサイズ感
そこでみなさんがウエストンを購入するときに悩むのが実際のサイズ選びですね。
例によって青山のウエストン路面店へ。
ドリンクを出していただきながらさまざまなサイズを試着させていただきました。
ウエストンはほかにもいくつかの店舗で取り扱いがありますが、やはり青山がおすすめです。
サイズも豊富に用意しているので、さまざまなサイズを試すことができます。
そもそもそんなに人が訪れないのであまり気後れせずにゆっくりと試着することができますよ。
そして何よりもウエストンを専門に扱っているので、靴の特性を十分に理解しています。
結果的にこのゴルフのサイズはウエストンサイズで6Dです。
おおむねUKサイズよりもレングスも幅もひとつ小さい表記というイメージです。
同じウエストンのローファーを所有していますので、同じサイズの5/Dから試着を始めました。
しかし、ほとんど足が入らないくらいにきついです。
特に縦方向に対して、つま先が当たる印象が強く、このサイズは見送ることになりました。
革は縦方向にはほとんど伸びないため、レングスが足りないとそのままサイズが合わないことが多いです。
一般に革靴は横方向には伸びて馴染みます。
次に、レングスをハーフサイズアップして、ウィズをひとつ下げた6Cを試着。
縦方向には問題ないが、幅でかなりの圧迫感を感じます。
ゴルフについては薄手のホーズだけでなくやや肉厚のソックスも履きたいため、これだとおそらく馴染みきらないのではという印象。
最後に6Dです。
それでも十分に圧迫感を感じますが、これならローファーのときの経験上、うまく馴染みそうという感覚を掴めたのでこのサイズにしました。
同じ6Dでもいくつか試させていただきましたが、かなり幅の狭い6Cよりのもの物もあって個体差があります。
もし可能であればいくつか試させてもらうのも良いでしょうね。
一般的にゴルフはローファーのハーフサイズアップで選ぶ人が多いという話を聞きますが、わたしも同じ印象です。
履き始めの頃は、朝は良いものの夕方になり足がむくんでくるに連れてあの万力で絞められるような痛みが出てきます。
それでもローファーに比べて紐靴であるところがゴルフの良いところで、夕方になったら少し紐を緩めることで甲の痛みは抑えることができますね。
幅の圧迫感も多少は軽減されます。
個人的にはローファーのときよりも馴染ませるのは楽でした。
ローファーは紐がない分、きっちりとタイトなサイズを選ばないといけないというところがありますからね。
ちなみに他ブランドですと、エドワード・グリーンだったら202ラストで7Eがジャストです。
チャーチの173ラストの65Fはややきつくて途中でストレッチャーにかけてしまったので、おそらく65Gか70Fが適正サイズだと思います。
クロケット&ジョーンズの341ラストは6.5Eできもちゆるいくらいですね。
参考にしてみてください。
ゴルフかシャンボードか
ゴルフを購入するときの比較対象としてよく挙げられるのがパラブーツのシャンボードですね。
どちらもラバーソールを備えていて、雨にも強いという特徴があります。
シャンボードは外側にブランドのタグが付いているのがポイントですが、取ってしまう人もいるようですね。
シルエット自体はもう好みでしょう。
価格的にはゴルフのほうがかなり高いですが、やはり高い分だけはあります。
ウエストンの特徴が革の丈夫さがありますが、かなり目の詰まったきめ細かい革でとても上質であることがあります。
シャンボードはモカ割れがよく発生するという話を聞きます。
実際に割れている写真をよく見るのでそうなのかもしれませんが、カジュアルな靴なのでそれも味と捉えてしまって良いのではないでしょうか。
イメージとしては、シャンボードのほうがよりヘビーな環境での使用されている感じがありますね。
わたしは何と言ってもゴルフの佇まいがとても好きで、履いているときはもちろん、置いてあるだけでも様になる姿に惚れてゴルフを購入をしました。
雨の日も怖くないラバーシューズ
前述のように、ゴルフを購入するときは雨の日にも履ける靴を、という方が多いですよね。
わたしも進んで履きたいわけではありませんが、雨の日にはこのゴルフに登場してもらう機会が多いです。
雨に濡れてもきちんと手入れをすれば何事もなかったように回復する革もすごいですが、やはり特徴はリッジウェイソール。
底がラバーになっているので悪路を歩くことにも何も躊躇する必要がありません。
どうしても革底だと濡れた路面を歩くのに抵抗がありますよね。
グリップ力も抜群といわれていますが、個人的にはそこまでグリップを感じません。
ちなみに先日中華料理屋へこのゴルフを履いて訪れましたが、びっくりするくらいにツルツル滑りました。
あやうく転倒して傷をつけるところでしたね・・・
何の変哲もないシルエット、それが良い
ゴルフのこの佇まいがとても好きです。
でも実は以前はこの良さがわかりませんでした。
エドワード・グリーンのドーヴァーは格好良いけど、ゴルフはぼってりとしていてなんだか垢抜けない、そんな印象を持っていました。
それがいまでは最高に美しい、そう見えてきます。
わかりやすいドレッシーさやエレガントさはありませんが、その分気負わずにさらっと履くことができます。
これからもいろんなシチュエーションで履いて行くことになりそうです。
長く付き合いたい一足ですね。
こちらの記事も合わせてご覧ください。
JMウエストンのゴルフを履いた記事をまとめています。よろしければご覧ください。
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Comment
黒のゴルフもいいですね。
サイズの話ですが、6Dのダークブラウンのゴルフを長らく履いていました。昨年スコッチグレインの明るいブラウンのゴルフを買い足しましたが、店員さんは5.5Dがジャストサイズとの判断。しかし5.5だと捨て寸がほぼゼロなので、結局6Cを購入しました。
ウィズが1段違うだけで靴の印象が全く違うので驚きました。
今はまだ修業期間中です。グレインレザーはロシアンカーフより伸びるというのがCウィズを選んだ理由のひとつですが、やっぱりDだったかな、と…。
ちなみに本日雪とのことでゴルフを履いてきましたが、スーツには全く合わないですね。
アルマーニさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
シボ革のゴルフいいですね!わたしもいいなと思っていました。
ゴルフに限らずですが、JMウエストンはサイズ選びが難しいですよね。
わたしのまわりでもレングスを上げてウィズを下げている人が多いですが、なかなかどれが正解と一概に言えないみたいですね。
ちなみに、わたしは金曜日はダナーライトで出勤いたしました・・・
[…] […]